-2013 関東ブロック海外労働視察報告-

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連合関東ブロックの海外労働視察団(9月23日~9月28日 マレーシア・シンガポール)に連合栃木から参加された2名の方から報告をいただきました。

 

「異国を訪ね・触れ・みて自国を知る」  吉田 満さん (わたらせ地協議長)

ITUC-AP.NTUCオフィスがあるビル  上部オフィスは右手ビル群の中にある

■NTUC(シンガポール全国労働組合会議)から受けたレクチャー「更により良い、そして意義深い人生がおくれる場所、そして、全ての労働者、どのような仕事をしている人でも、そして年齢、国籍、イデオロギーに関係なく働いて、住んで一緒に遊ぶこと」が労組ビジョンとして示された。

 今回、訪問の主たる目的であるITUC-AP並びNTUCとのレクチャーとディスカッションは事前に質問等を投げかけたものに対する回答をもらう形で進行された。

 写真にもあるようにオフィスがあるビルは国家の補助を受けた労働財団が運営をし、家賃が発生せず、管理費(多少高額との?)のみで済んでいるようである。  

■ICUT-AP(国際労働組合連合・アジア太平洋地域組織は書記長の鈴木則之さん(UAゼンセン出身)から国際的環境と日本国内の課題についてレクチャーを頂いた。

 ヨーロッパ、北欧の労働事情とアジアではジニ係数(所得の不平等度を示す指標、所得格差、資産格差などをはかる場合に利用される指標)に大きな差があり、それは、労働組合の組織化率が不平等係数に比例していることもILO(国際労働機関)の調査による労働白書に示されているということでした。

 要は、ヨーロッパ、北欧地域が組織化率が高く、それは労働組合が要求によって労働法制、労働諸条件を高め、雇用保障をし、質を高め、結果的に不平等度を少なくしているという理論。連合の政策全般にある要所に国際的政策が組み込まれていることが理解できた。

 それには、組織の活性化を図らなければならないが男女共同の組織運営(各機関男女同数方針)が大きく効果を生んでいることも興味深く感じた。

 憂慮される点として、選挙結果は民主的繁栄で謙虚に受けるしかないが、このままの日本は所得が下がり、選挙に行かなかった人が割を食う結果になっていきそうな予想が考えられるのではないかとあった。

 初めて訪れたマレーシア・シンガポールは日本から見て安全で綺麗で馴染み易いという国のイメージはその通りでした。

 労働組合役員の立場で国内にある問題や組織運営はアジア地域で起きている民主化運動を始め命がけで取り組んでいることを聞く機会を得たことは貴重なことで昨年のインド訪問者から聞いたこととは問題がまた違うと思いますが、この機会を与えて頂いた皆さんに感謝を申し上げますと共に、団を率いた役員の皆さんに御礼申し上げます。

マレーシア森林研究所(FRIM) kapurと呼ばれている

■上写真は、2日目に訪れたマレーシア森林研究所(FRIM)キャノビーウオーク体験中に見られた樹木で、それぞれの葉が他の枝の葉が触れ合わず樹の葉たちが揺れてもマグネットのように触れ合わないその姿を観察することができます。この木は和名で竜脳樹と呼ばれている。

■研究所は1920年から伐採された自然を35年周期で元に戻す活動をしている。世界中の機関に呼び掛けコンサルティングカンパニーの協力も増加にあり、今では若干狭くなったが544㌶に3,000種類の樹木と15,000種の動生物700名のサポーティングスタッフと200名のドクター(女性半数以上)で管理運営しているそうである。

 

「どうしたら、主体性のある女性活動ができるのか」 伊東晴美さん(連合栃木副会長)

 

連合での海外視察は、6年前に国際交流女性チームのオーストラリア訪問についで2回目となります。あの時の経験が、会社の仕事以外での視野を広げた大きな転機となり、現在の自分がいます。私にとって海外での労働事情を知るとともに、それぞれに活躍される女性役員からの刺激はとても大きく、今日までワーキングママとして、会社の仕事と連合や単組の役員として活動ができている理由のひとつになっています。

今回、マレーシアへの訪問は3回目となり、シンガポールは初めての訪問でした。近年、著しい経済発展を遂げているアジア。そのアジアで働く人たちと労働組合との関係、労働組合への女性参画の状況、働く女性の実態などについて学ぶことができました。もっともっとたくさんの事を吸収したかったのが本音ですが、訪問先や地方連合の方々との交流から得たことを基に、今後の活動において変化を起こしていきたいと思います。

 

■アジアの社会と労働状況について

アジアは世界経済の成長の中心として重要な位置にあります。アジアのGDPが世界の中で占める割合は2005年には27%でしたが、13年には30%に伸び、50年には52%に達すると推計されています。

しかし、右肩上がりの成長が続くアジアですが、拡がる不安定雇用や低下する労働分配率をはじめとした課題があります。シンガポールにおいては、少子高齢化の進行の中での経済社会の活力の維持、隣国との関係、外国人の活用と処遇、議会政治の民主的安定的運営の課題などについて伺うことができました。

 

■男女平等に関する国際比較について

 男女の格差(①給与・参加レベル・専門職での雇用②教育③寿命と男女比④意思決定機関への参画)を指数化したGGI(ジェンダー・ギャップ指数)2012年度発表によると、調査対象135カ国の内、上位は欧州、8位フィリピン(アジアの中で1位)、中国69位、韓国108位、インド106位であり、シンガポール55位、マレーシア100位、日本101位となっており、“日本と韓国はOECD諸国の中で最下位”に位置しています。男女間格差GGIが低い一方で、HDI(人間開発指数…長寿・知識・生活水準)やGII(ジェンダー不平等指数…妊産婦死亡率・国会議員女性割合・教育)が上位であるということは「女性の能力を十分に活かしきれていない、もったいない状況」であることを実感しました。

 

■労働組合への女性参画の状況について

 日本では国や連合が「社会のあらゆる分野で、指導的地位に女性が占める割合を2020年までに30%程度にする」ことなどをめざしています。しかし、連合組合員の約3割は女性にもかかわらず、女性役員となると1割にも届きません。多くの労働組合は、男性正社員中心の運営になっているのが現状である中、ITUC-AP(国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織)の女性委員会では、特別枠を作り40%を目指しています。また、青年委員会メンバーやセミナー等の参加者の男女比率を1:1にしていることで、会議の運営から議論内容などが大きく変わっているそうです。女性や若者の次世代育成に関しては、特別枠で執行委員会出席の機会を提供しています。鈴木書記長からは、ここ10年で経済が発展し、女性にお金が回る余裕ができ、女性が活躍できる環境になってきており、“女性に機会を与えないで議論をするのは間違いだ”との思いや、ダイナミックな取り組みの成果を伺うことができました。

 

最後に、”活躍しきれていない女性登用の数が質を生む“ために“活躍する機会を与える”取り組みを推進していきたいと思います。

 連合関東ブロック連絡会、現地でお世話になりました諸機関の皆さま、そして今回の視察チームの吉田団長、中澤事務局長、平野さん、他メンバーの皆様に、心より感謝とお礼を申し上げます。

 

NTUC(シンガポール全国労働組合会議にて) 国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織にて NTUC (国際事務局 エンキー首席特別代表と)

 

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